ポストコロナ時代は手元流動性を高められるフランチャイズ展開を!
2020年は春から多くの企業が新型コロナウイルスの影響で長期間の休業や営業時間の短縮を余儀なくされました。飲食業やサービス業など実店舗を保有してチェーン展開している企業においては、家賃や従業員給与など固定費負担に企業の存続さえ危ういというところも出てきています。
実際に、外食のフレンドリーやワタミなどでは全店舗の10%以上の閉店を発表しています。その他の大手チェーンも不振店の閉鎖、業態変更などの取り組みによって企業の生き残りを図っています。大手チェーンにおいては、直営店比率が高い企業ほど固定費負担が重く、早期の店舗閉鎖に踏み切るところが多いように見受けられます。
一方、フランチャイズ加盟店比率が高い企業は、加盟店に対する様々な支援を行なっているところもかなりの割合でありますが、直営に比べると固定費が格段にすくないために、直営展開中心の企業に比べると資金面での緊急度は低いように推察されます。
実際に、直営店で200店舗運営しているチェーンでは、平均家賃月額50万円、正社員2名の人件費1店舗当たり50万円とすると、(50万円+50万円)×200店=2億円の固定費がかかります。それに加えて本部スタッフの人件費や本部施設の家賃などが必要となります。一方、フランチャイズ加盟店だけで200店舗を運営しているFC本部企業にとっては、店舗に関わる固定費は、ゼロ円です。
本部スタッフは直営チェーンと比較して加盟店開発、スーパーバイザーの人員が若干多くなるくらいで、精々数人程度の差です。
例えば、直営展開の企業より10名多くても月間数百万円の差です。つまり、直営主体のチェーンでは、今回のように営業自粛などで売り上げが激減するような場合では、売上収入が無くても毎月2億円以上のキャッシュが必要となるのに対して、フランチャイズ展開を中心にしている企業では、本部の施設費とスタッフの人件費くらいを賄えるキャッシュがあれば、企業が存続できるということです。
さらに、直営店に関しては、出店に際して保証金や店舗の工事代、設備費なども先行的に発生します。つまり、店舗を開業する都度、手元のキャッシュが一気に減少します。一方、フランチャイズ加盟店の出店に関しては、本部は加盟金などが入ってくるので手元のキャッシュとしてはプラスとなります。
直営展開を進めれば、手持ちキャッシュは減少し、月々の固定費は拡大するために手元キャッシュが比較的少ない状態が続きます。一方、フランチャイズ展開の場合は、出店によっても手持ちキャッシュは増加し、月々の固定費は限りなく低いままロイヤルティ収入など一定のキャッシュが入ってくるという構造になっています。
企業の持続的成長を考えた場合、ポストコロナ時代においては、従来以上に手元流動性が問われます。そんな時代に合った多店舗展開のシステムとしては、直営展開ではなく、フランチャイズシステムが最適なことは間違いがありません。
多店舗化で事業拡大をお考えの経営者は、フランチャイズ展開を視野に入れて事業計画を立案されることをお勧めします。