加盟店開発に展示会を有効活用する為のチェックリスト(解説編)

前回、加盟店開発に展示会を有効活用する為のチェックリストを紹介しましたので、今回は各項目について簡単に解説します。

目次

1.目標設定は出来ていますか?

何の為に展示会に出展するのですか?
漠然と出展しているフランチャイズ本部もあります。
しかし、当然ながらそれは問題です。
・今回の展示会でフランチャイズ契約を何件とるぞ!
・名刺を何枚集めるぞ!
・説明会へ何人集客するぞ!
など、まずは具体的な目標を設定してください。

2.ターゲットは決まっていますか?

展示会には色々な人が来場します。しかし、出展者の使える時間は限られています。
今回の展示会で、どのような人と出会いたいのか、ターゲットを明確にすることが大切です。
そして、ターゲット以外には出来るだけ時間をとられない運営を行う必要があります。
特に営業目的に来場する人や競合の情報収集には気を付けましょう。

3.ターゲットを意識したブースづくりが出来ていますか?

よく「なに屋さんかわからない」ブースを見かけます。
折角なので色々な人の興味を引きたいと考えると、あれもこれもとコンテンツを掲示し、わけがわからなくなります。
ターゲットを絞ったら、ブースもそれに特化したものにすべきです。
ブースの前を通過する際にメッセージを伝えられる時間は2~3秒といわれています。
この短い時間にターゲットにどんなメッセージを、どう効率的に伝えるのか。智恵の絞り所です。

4.利用シーンや目的、ステップを意識したツールづくりが出来ていますか?

当日の運営は明確になっていますか?
ブースへの呼び込み、着席しての説明など利用シーンや目的等に適したツールを用意しましょう。
ここを意識するだけで成果が変わります。

5.スタッフの役割分担や個別目標の設定は出来ていますか?

個人の役割や目標を明確にすることも大切です。
「今日は有効名刺を20枚取得しよう!」など、個人が強く意識すれば成果も変わってきます。
期間中、特徴的な朝礼や夕礼で毎日、目標や成果を確認しているフランチャイズ本部もあります。
色々と工夫してみてください。

6.リハーサルはやってますか?

事前に当日の運営の流れなどを想定しますが、実際に現場でやってみたら問題が沢山出てきたということがよくあります。
問題は、ツールや備品が足りないなど比較的軽微なものから、説明資料に間違いがあるなどの重大なものまで様々です。
このような事態にならないためには、事前にリハーサルを行うことが有効です。会社の会議室などに簡易的にブースをつくり、当日の運営のロールプレイングを行ってみてください。

7.関係者のやる気は高まっていますか?

ブースにいるスタッフの「やる気」は成果に直結します。
やる気は、言葉に出さなくてもに来場者に伝わります。
是非、熱い気持ちをぶつける集団をつくってください。

8.名刺の名簿化の仕組みは出来ていますか?

展示会が終了したら集めた名刺をもとにフォロー営業が始まります。
終了後すぐに動き出せるよう、会期中から少しずつ名刺を名簿化(データ化)しましょう。
誰がどのように作業を行うのか。役割分担と作業手順を事前に決めておく必要があります。

9.メール配信などフォローの仕組みは出来ていますか?

最近は、フォーローのスタートがお礼メールという場合も多いと思います。
しかし、ここが意外に難しいという声も聞きます。
メールや郵便物(紙)の送信などは安くて使い勝手の良いシステムも多くあります。
展示会終了後に慌てないよう、事前に使用するツールを選択するなど仕組みを整備しておきましょう。

10.フォローのステップは設計できていますか?

驚くことに、「展示会で沢山の名刺を集めたがフォローメールを送っただけで後は何もしていない」というフランチャイズ本部は多いです。
理由を確認すると明確な答えは返ってきませんが、原因は次に何をやるべきかわかっていないことにありそうです。
なお、フォローを担当者個人に任せっきりにした場合はこの傾向は強くなります。
展示会出展の最終目的は、フランチャイズ契約を締結することです。
契約に至までのフォローのステップを具体的に設計し、担当者にも周知しましょう。

11.KPIは設定していますか?

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」とよばれます。簡単に説明すると、「目的を達成するために重点的に管理しなければならない指標(数値など)」という感じでしょうか。
つまり、KPIが達成できれば目的も当然達成されるだろうという考え方です。
加盟店開発においてもKPIは重要です。
例えば、展示会で100人に名刺をもらったら1契約獲得できる、という実績があったとします。この場合、契約目標が5件なら、500人の名刺を集めようということになります。
この場合のKPIは「名刺獲得数」となり、目標は500人です。
これは一例ですが、いきなり最終目標の契約で考えると具体的に何をすれば良いかわかりずらいものです。
是非KPIを設定し、着実に目標に向かう活動を目指してください。

12.評価と改善の仕組みは出来ていますか?

展示会出展やその後のフォローのステップ毎にKPIを設定しても評価しなければ意味がありません。
例え今回は成果につながらなくても、正しく評価し改善すれば次につながります。
PDCAサイクルを常に回し続けてください。

13.成果を喜び共有する仕組みは出来ていますか?

成果がでたら関係者全員で喜びましょう。
それが次のモチベーションにつながります。
加盟店開発は個人プレイになりがちです。しかしチームとして成果を最大化する風土を醸成することが大切です。

 

以上、長くなりましたが、加盟店開発に展示会を有効活用する為のチェックリストの解説編です。
展示会に出展するなら、活用し尽くせるよう考えましょう。事前の準備が大切です。

松久 憲二

投稿者プロフィール

株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所 副社長COO シニアコンサルタント
一般社団法人日本フランチャイズコンサルタント協会 代表理事
特定非営利活動法人 起業応援倶楽部 理事長
昭和43年生まれ。大分県出身。
宮崎大学工学部電子工学科卒業後、大手コンサルタント会社、大手生命保険会社を経て現職。
フランチャイズ本部の立ち上げから加盟店開発などを中心とした経営コンサルティング、執筆および講演等の活動を行っている。

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