毎年3月に開催される日本経済新聞社主催のフランチャイズショーが、今年は新型コロナウィルスの影響で中止となり、時期を秋に移し、2020年9月29日と30日の二日間で開催されました。
会場も例年の東京ビックサイトではなく、東京・池袋サンシャインシティに変更。セミナーなども行われず、例年とは多くが異なる形での開催となりました。

会場の入口では検温と手指の消毒が義務付けられ、各ブースの商談席にはアクリルパネルでの仕切り設置。全員がマスク着用義務付けなど、徹底した感染予防が施されました。

このような主催者側の努力もあり、心配された来場者数も、二日間で6,561人と、まずまずの水準となりました。各ブースで商談する姿も多く見られ、本部だけでなく、加盟希望者も待ち望んでいた展示会という雰囲気が随所で感じられました。

出展は、69社・団体で124ブースと、例年の三分の一程度の規模でした。
なお、出展者の内訳は以下の通りです。

・FC本部/フードサービス業 14
・FC本部/小売業 3
・FC本部/サービス業 28
・ビジネスパートナー募集 14
・フードサービス開業支援ビジネス 2
・店舗支援・課題解決ビジネス、コンサル、情報、その他 8

最多はサービス業でした。その中でも、障害者支援事業の出展が目立ちました。
また、コロナ禍で大きな影響を受けたフィットネス事業の出展も数社あり、ブースで話を伺うと、「急速にお客様が戻ってきている」と力強い言葉が返ってきました。

フランチャイズ業界では、加盟店募集の活動が大きく制限される状況が続いています。リアルでの事業説明会が開催できず、Webセミナーを行うなどの対応に取り組んでいますが、思うように加盟見込者と出会い、商談を進める流れにつなげられないケースも多くなっています。

そのような中、今回のフランチャイズショーの成功は大きな転機になるかもしれません。
10月から外国人の入国規制も緩和されるなど、感染予防と経済の両立を目指す流れは加速しています。ウィズコロナという意識も国民に定着してきており、人々の活動も徐々に活気を取り戻してきているように思われます。

実際、「リアルの事業説明会が開催できるようになってきた」、「コロナで止まっていた商談が動き始めた」などの、フランチャイズ本部経営者の声も増えてきています。

すべてがコロナ以前に戻る、ということは考えられません。
しかし、いつまでも立ち止まってはいられません。

フランチャイズ本部も加盟者も、変化すべきこと、変えてはいけないことを明確にし、ウィズコロナの時代に向け、新しい一歩を踏む出す良い契機になったのではないか。
そんなことを感じながら、今回のフランチャイズショーの会場を後にしました。

参考までに来年は、例年通り3月の東京開催に加え、初の大阪開催が6月に予定されています。
日程は、東京2021年3月9日~12日。大阪2021年6月10日~11日。
詳細は、フランチャイズショーのウェブサイト(日本経済新聞社)でご確認ください。

松久 憲二

投稿者プロフィール

株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所 副社長COO シニアコンサルタント
一般社団法人日本フランチャイズコンサルタント協会 代表理事
特定非営利活動法人 起業応援倶楽部 理事長
昭和43年生まれ。大分県出身。
宮崎大学工学部電子工学科卒業後、大手コンサルタント会社、大手生命保険会社を経て現職。
フランチャイズ本部の立ち上げから加盟店開発などを中心とした経営コンサルティング、執筆および講演等の活動を行っている。

この著者の最新の記事

関連記事

株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所
企画・編集/株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所
ページ上部へ戻る