外注費はコストか投資か?

先日あるアウトソーシング(外注)を勧めるセミナーに参加しました。
業務を外注したい企業と請負いたい業者のマッチンサービスを提供している企業が主催するものでした。

その中で、「あなたの時給はいくらですか?」という質問があり、その後実際に計算するワークショップがありました。

詳細は割愛しますが、参加者の多くは経営者。
当然時給を計算するとかなり高い金額になります。

マッチング企業としては、「だから自分でやるより外注した方がお得ですよ」と言いたいのです。
まあ、多くの場合実際にそうでしょう。

しかし、単なるコスト比較だけで外注を活用すべきかを判断するだけでは不十分です。

それよりも、大切なのは、売上を上げるなど業績アップに関係のない仕事、つまり単なる作業は外注を使うべきという考え方です。

簡単な例で説明します。

WEBサイトを作って集客したい!
というケースを想定してください。

ある社長が、自分で集客用WEBサイトを作ろうと考えたとします。
情報は、ネットや書籍で消化しきれないほど集まります。
素人ながらなんとか頑張って1か月ほどでWEBサイトが完成しました。
仕事が終わった後2時間程度、休日はさらに長時間これに取り組んでいたので、
合計で約50時間かかりました。
社長は、「我ながらなかなか大したもんだ」と悦に入っています。

これで問合せが増えるぞ!
と期待して待ってはみたものの効果なし。

やはりプロに頼まなければ駄目なのか、
と専門業者にリニューアルを依頼することになってしまいました。

こう書くと、
「最初から専門業者に頼んだ方が結果的に安上がり」
「WEBサイト構築は売上につながるから外注すべき」
というのが結論だろうと思うでしょうが、違います。

専門業者がリニューアルしたサイトも問合せが取れない可能性が高いです。

なぜなら、どうやったら問合せが増えるかがわかっていないからです。

どうやったら問合せが増えるか、もっともわかっているのは社長ではないでしょうか。

この例の場合、問合せが増えないのは、社長が慣れない技術的なことに対応することばかりに気を取られ肝心の集客のための作戦を考えていないからです。
つまり、作業に追われ考えていない状況です。

この社長が本当に時間を使うべきなのは、この作戦を考える部分です。
WEBサイトをつくるという作業は、専門業者に頼み、肝心の作戦は社長が考えるのです。

要は、考える時間を確保するために外注を活用するのです。

そして、作戦が固まれば、WEBサイトはもちろん、それ以外の媒体、例えばチラシやDMなどでも反響が取れるようになるはずです。

つまり、集客の仕組み、売上を上げる為の仕組みができあがるのです。

これは一過性の売上ではなく、継続的な売上をもたらします。
経営が安定します。

これこそが、売上に関係ない業務は外注すべきという本当の理由なのです。

こうなると、外注費はコストではなく、将来に向けた投資だと考えられます。

我々コンサルタントも、経営者が不慣れな業務に時間をとられることを抑止する存在です。

そして、フランチャイズ加盟も同じです。

最近○○(好きな事業を入れてください)が流行っているから、自分で勉強して店を出そうと考えるより、FC加盟を選択した方が開業までのスピードは圧倒的に速いです。

しかも、どうやったら事業がうまくいくかについても本部のアドバイスが受けられます。
オーナーは、本当に大切なことを集中して「考えられます」。

作業に追われ、考えていない経営者は意外と多いです。

こんな時は、自分の業務(現状の業務だけではなくやりたいことも含め)を洗い出し、外部に委託できる作業は積極的に自分のタスクリストから外してみましょう。

きっと見える世界が変わるはずです。

(注)時間が空いたからって、遊んでばかりだと単なるコスト増で終わるのでご注意を!

松久 憲二

松久 憲二

投稿者プロフィール

株式会社アクアネット 専務執行役 チーフコンサルタント
一般社団法人 日本フランチャイズコンサルタント協会 代表理事
特定非営利活動法人 起業応援倶楽部 理事長

昭和43年生まれ。大分県出身。
宮崎大学工学部電子工学科卒業後、大手コンサルタント会社、大手生命保険会社を経て現職。
フランチャイズ本部の立ち上げから加盟店開発などを中心とした経営コンサルティング、執筆および講演等の活動を行っている。

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