初めてオペレーションマニュアルを作成する時に不可欠な準備作業は現場での
「ヒアリング」です。
資料収集しきれない作業手順、現場で確認しないとわからないことは、店長など店舗運営に携わっている人に聞くしか方法がありません。
マニュアル担当者がヒアリングした内容を文字にして、担当者にチェックしてもらうという作業は不可欠です。


メモをとる、録音する

ヒアリングに使う用具は、筆記用具とデジタルカメラ、必要に応じてボイスレコーダです。
出来れば店舗(現場)で実際に作業しながら、聞き取るのが望ましいですが、難しい場合は担当者から時系列でヒアリングすることがポイントです。
特に作業手順は、ヒアリングの段階で手順の区切りを確認することも重要です。
メモを取りながら、「1」「2」「3」・・・と箇条書きに整理することで、マニュアル作成時の作業時間が短縮されます。
ヒアリングが終わったら、時間をあけると作業が面倒になったり、内容を忘れないうちに、なるべく早めに文字に起こしてしまいます。


初めは複数のやり方があって当たり前

既に2店舗以上ある場合には、ほぼ間違いなくオペレーションが違っています。
もともとは同じ方法だったかもしれませんが、店舗ごとに作業環境が異なったり、人の個性でやり方が変化し、気づくと店舗毎にやり方に偏りが生じていることは良くあります。
これらのことは、ヒアリングで見出されることが少なくなく、チェーンにとって大事なノウハウの明確化に繋がることが多々有ります。
ヒアリングで見つけた店舗毎の違いの全てを統一しなければならないわけではありませんが、外してはならないオペレーションは標準的な手順を決める(標準化)ことが、マニュアル作成の過程で重要なことの一つです。
その意味でヒアリング担当者は現場に任せるより、本部スタッフや外部に依頼する方法をオススメします。


手順を統一しなくてもよいか?

「直営店なのだし、それぞれのやり方でも構わない。」という考え方を全ては否定しませんが、フランチャイズ展開する時は店舗で研修することがありますので、商品やサービスの品質の基準を保つための手順は統一しなければチェーン展開の意味がありません。
また、マニュアルに記載してあることと、実際のオペレーションとに大きな隔たりがあると、加盟店のスタッフも迷ってしまいますし、極端な場合、本部への不信感につながりかねません。

店舗ごとの違いが見つかることを恐れず、違いがあって当たり前、より良いものをつくるという考えで、ヒアリングと文字起こし作業に取り組むことが大切です。

 

 

山崎 純一郎/ Junichiro Yamazaki

投稿者プロフィール

株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所 部長 チーフコンサルタント
NFCA認定FCコンサルタント/AFP(日本FP協会認定)/2級FC技能士(ファイナンシャルプランナー)
【略歴】サービス業系FC本部では法務室長、経営企画部長等を経て、2003年より現職。
フランチャイズ本部構築コンサルティング、FC本部向けに品質マネジメントシステム(ISO9001)取得支援コンサルティング、フランチャイズ本部の各種マニュアルの企画・編集・制作を担当。FC本部向け研修講師、執筆等も行っている。

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