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テリトリー設定を間違えるとトラブルの元に!
フランチャイズチェーンにおいてよくトラブルになるのがテリトリー権に関してです。テリトリー権を与えるとは、独占的な商圏(営業権)を与えるということを意味しますが、独占的な営業権と言っても様々な解釈ができます。店舗型の事業であれば、店舗を選ぶのはお客様です。したがって、お店から何十キロも離れたところからでもお見えになるお客様はいらっしゃいます。したがって、お店のテリトリーと言っても、明確に区切れる訳ではありません。しかし、訪問販売のみ行っているというような営業形態の場合は、営業範囲が明確に区切れるので対象となるお客様も限定することができます。そんな場合は、明確にテリトリー権を設定することができます。つまり、事業の形態や営業方法によっては、テリトリー権の設定が業績に大きく影響を与えるため、フランチャイズチェーン展開を行う場合は、業態の特性や将来目標とする店舗数、標準的な収益モデルなどに基づいて最適なテリトリー権の設定基準を決めることが求められます。
目次
フランチャイズチェーン展開に際してのテリトリー設定における基本的な考え方には、大きく3つの考え方があります。
<テリトリー設定方法>
1.ロケーション制
店舗の所在地で当該事業を行う権利を与えるというもの。決まった範囲のテリトリー権を付与されるわけではなく、店舗の隣に直営店や他の加盟店が出店しても加盟店はFC本部に対して異議を唱える権利は持っていないというものです。コンビニエンスストアやファストフード店など比較的小商圏の小売り、飲食業の多くで採用されています。
2.クローズドテリトリー制
一定の範囲内で加盟店に独占的な営業権が付与されるタイプ。例えば、東京都港区で1店舗のみの加盟を認め、直営店も他の加盟店も開業できないというものです。比較的小さなエリア設定をされているのは食事宅配のような事業が多いようです。一方、建設関連事業など規模の大きな事業においては、市や県単位など比較的広い範囲のエリア設定をする場合もあります。
3.オープンテリトリー制
オープンテリトリー制とは、クローズドテリトリー制においては、権利を付与された加盟店が何らかの事情で積極的に営業活動を行わずに当該エリア内で他社にシェアを奪われてしまうのを避けたい、1社に任せるにはエリアのキャパシティーが大きすぎるが、人口が密集していて明確にエリアの線引きができないなどという場合、一定エリア内で複数の事業者に権利を付与するというもの。つまり同一エリア内で、一定数の加盟店が自由競争状態になるというものです。お客様から見ると同じブランドで異なる事業者が営業しているということになるので、混乱を与える場合もありますが、エリア内での活動が活発になりシェアが高まるという効果もあります。木造住宅やリフォーム業などにおいて、大都市圏を中心によく見受けられます。
以上は基本の考え方ですが、ベースはロケーション制だけれど、半径2キロ以内には、直営店も他の加盟店も出店しない、というようなクローズドテリトリー的な考え方を組み合わせたような規定を採用しているところもあります。
それぞれの業態特性やフランチャイズ本部の方針に最適なテリトリー規定を設定すること。それが将来のトラブル防止とチェーンの発展につながるのです。