作らなければ、語れない、マニュアルの功罪
「マニュアル=自社のノウハウ」、誤解の始まり
「マニュアルにするとノウハウが流出してしまう!」
マニュアルを初めて作成するチェーンの方からしばしば耳にする言葉です。
本当にそうなのでしょうか?
フランチャイズビジネスには、加盟店へノウハウを提供するためのマニュアルは必須のツールです。
加盟店にマニュアルを提供できないのであれば、フランチャイズ展開は失敗すると考えて、ほぼ間違いありません。
それは、なぜなのか?
マニュアルを作ってみなければ、自社のノウハウをどう伝えれば、加盟店が成功できるのかを明確にすることができないからだと言えます。
フランチャイズに必須のオペレーションマニュアル
ここで言う「マニュアル」は加盟店が行う日常業務(営業活動)の手順、最低限の品質基準を示したものです。
このブログでは「オペレーションマニュアル」と呼ぶことにします。フランチャイズ本部が整備するマニュアルの種類については、別の機会に譲ります。
開業前の研修や現場のトレーニングを行っていくときに、オペレーションマニュアルがなければ 、トレーナー(本部の担当者)の品質やトレーニングレベルに全て依存することになります。
トレーナーが複数名になると、本部の品質レベルが段々とズレてきます。
直営店が3店舗あると、同じオペレーションをバラバラの手順で行っているということもよく経験します。
「手順」にはノウハウ(成功要因)が含まれていることが前提です。
もし手順がどうでも良いというのであれば、ノウハウはまだ改善の余地がある、ということになりますが、どのような業種業態でも100点のままということはありません。改善し続けることがむしろ当たり前なのです。
マニュアルなしで良し悪しは語れない
マニュアルを作成することは、そうしたオペレーションのズレを発見して、より良いやり方を見出すための基礎テキストといった役割もあるのです。
マニュアルがあると、マニュアルに縛られてしまうという意見もよく耳にしますが、
チェーン展開する以上、マニュアルという基礎テキストをチェーン(組織)で共有することなしには、お客様に提供するサービス品質を担保することはできません。
ただし、一度作ったマニュアルにこだわり、改善できないようでもお客様のニーズに応えることは難しいのではないでしょうか。