スーパーバイザー人材の育成とは?
日本では、スーパーバイザーと聞くとフランチャイズチェーンを思い浮かべるほど、フランチャイズチェーンには欠かせない存在になっています。
もともとは、フランチャイズチェーンだけで使われている訳ではなく、監督者、管理者という意味で様々な場面で使われていますが、日本ではスーパーバイザー=フランチャイズチェーンというイメージが強い印象を受けます。
フランチャイズ本部を立ち上げる際に、誰を、どんな人をスーパーバイザーにすればいいのかという質問をよく受けます。
一般の企業には存在しない職種ですので、イメージできないという方が多いようです。
そこで、よく出てくるのが、他チェーンのスーパーバイザーを中途採用したいという要望です。
業種や業態は全く異なるけれど、スーパーバイザーとしてのスキルは高いのでそういう人材をスカウトして配置すればうまくいくのではという思いが強いのです。
確かに、そういった考え方もあるでしょう。
業種、業態が違えども加盟店を指導する点では同じだから、経験者に任せた方が育てる手間も時間もかからないので手っ取り早いというのには一理あります。
しかし、スーパーバイザーにとって最も大切なもの何でしょうか?
スーパーバイザーとしての仕事の進め方の基本を知っているということでしょうか?
加盟店との接し方を身に付けているということでしょうか?
そういったことも重要な要件にはなります。
しかし、それ以上に必要なことがあります。
それは、当該業態に関しての理解と実際の運営に際しての成功要因を把握しているということです。
加盟店にとって、最も重要なことは継続的に利益を出し続けられること。
つまり、ずうーっと繁盛し続けることです。
そのためには、売上が思うようにあがらない、思ったように利益があがらないという悩みをすぐに解決してくれるスーパーバイザーこそが最も頼りになります。
何か相談しても具体的な指導や支援をしてくれないスーパーバイザーは、何の役にも立ちません。
本部方針を伝える、型通りのチェックを行うだけなど、通り一遍の指導しかしてくれないスーパーバイザーは、加盟店にとっては無用の長物です。
他チェーンでスーパーバイザーを経験してきた人材は、当該業態に関しては全くの素人です。
店長やマネジャーとしての経験もありません。
したがって、スカウトされて、スーパーバイザーとして配置されても、最初のうちは加盟店が求める指導、支援が全くできないということになります。
本当に困ったときには役に立ちません。
つまり、他社から経験者をスカウトしてきてもやはり、自社業態をきちんと経験させて、店舗運営のプロに育成して初めて使えるスーパーバイザーになります。
したがって、自社の店長経験者などをスーパーバイザーとして育成するよりも一人前になるのに余計な時間が必要となることもあります。
以上のようなことを考えたうえで、社内人材を登用するのか、他社からスカウトするのかを判断してください。