加盟店オーナーのやる気を維持するために…。
フランチャイズチェーンでは、フランチャイズ本部がノウハウを提供して加盟店に事業を運営してもらうというスタイルをとっています。
したがって、運営のためのノウハウは、マニュアルなどによって標準化されており、一定のレベルの運営は、どこの店舗でも可能となっています。
しかし、実際には、加盟店によって売上高や利益率に大きな差が出ているのも事実です。
その大きな要素としては、まず店舗立地が考えられますが、長い目で見ると立地と同じくらい大きな要素を占めているのが、加盟店オーナーのやる気です。
フランチャイズ加盟店は、長い場合は数十年にわたって同じ場所で同じ事業を行うということになります。
さらに、事業拡大を目指して複数店経営を行うというところも増えています。一方で、最初の数年間は比較的好調に推移したものの、どんどんじり貧になって、脱退してしまうということも少なくはありません。
インセンティブ策
そこで、フランチャイズ加盟店が長く好調を維持して、永続的に脱退しないで事業を続けるために大切になるのが、加盟店オーナーのやる気をどう高めるかということです。
そのためにフランチャイズ本部は様々な施策を実行することが求められます。
そういった施策を一般的には、フランチャイズ加盟店に対する“インセンティブ策”と呼びます。
インセンティブ策には以下のようなものがあります。
- 加盟店の売上規模に対するロイヤルティの低減等
- 加盟店の売上伸長率などに対する報奨等
- キャンペーン企画における売上等の目標達成に対する報奨等
- QSCなど運営レベルの評価に対する表彰等
- 各種コンテストの評価に対する表彰等
- 加盟年数に対する報奨等
- 複数店経営に対するイニシャルフィー及びロイヤルティの低減等
以上が、売上規模や伸長率など業績にかかわるものとQSCのように運営レベルにかかわるものなど、テーマごとに加盟店のやる気を喚起するための施策です。
さらに、フランチャイズ本部と加盟店の一体感を醸成するためには、オーナー会の開催、フランチャイズチェーン全体の運営改善に向けたプロジェクトへの参加要請や加盟店会の設置なども加盟店オーナーのやる気を喚起するための大きな手段となります。
加盟店オーナーのやる気を維持し続けること。
それが、フランチャイズチェーンが長く発展するための大きなカギとなります。