「資金不足の加盟希望者が多くて、なかなか加盟者が増えなくて困っているんです」とお嘆きのフランチャイズ本部の加盟店開発担当者の方の声をよく耳にします。
通常フランチャイズチェーンに加盟する際には、開業に必要な資金に加えて加盟金など、フランチャイズ本部に支払う費用も必要です。
比較的初期投資が少ないと思われている学習塾やラーメン店など小型の飲食店でも1000万円程度の資金は必要となります。
ところが、個人でフランチャイズ加盟を検討している方の多くが、すぐに準備できる資金は300万円以下という回答です。
このミスマッチを解消しないとフランチャイズ加盟店は一向に増えていかないということになります。
そこで、各社が取り組みを強化しているのが、ほとんど資金を持っていなくても加盟できる仕組みの導入です。
ほとんど資金を持っていなくても加盟できる仕組み
一つ目は、ターンキー制度と呼ばれるものです。
店舗や備品など開業に必要なものはフランチャイズ本部がすべて費用負担して準備し、加盟者は加盟金や研修費などフランチャイズ本部に支払うイニシャルフィーのみ負担するという仕組みです。
大手コンビニや弁当チェーンなどが採用しており、200万円から300万円程度の初期費用で開業できます。
二つ目は、インターン制度と呼ばれるもので、一定期間(通常は3~6か月間くらい)直営店で店長見習のような形で働いた後、本部が適性を判断して、正式にフランチャイズ加盟を認めるというものです。
インターン期間中は、給与も支給され、加盟金や研修費を免除される場合もあります。
前述のターンキー制度と組み合わせると手持ち資金が無くてもフランチャイズ加盟が可能です。
三つ目は、社員独立制度です。
インターン制度は短期間の雇用でフランチャイズ加盟できますが、社員独立制度の場合は、数年から長い場合は数十年勤務して一定の資格を取得したうえで、フランチャイズ加盟するというものです。
独立時には、資金面での優遇措置がある場合が多く、一般のフランチャイズ加盟よりも少ない資金で開業できる仕組みになっていることが多いようです。
フランチャイズ本部として、資金は不足しているのだけれどやる気と能力はある、という人たちを加盟させることで、加盟者を増やしたいとお考えの際には、このような仕組みを自社業態に最もふさわしい形にアレンジして採用してみてはいかがですか?
ただ、仕組みの作り方によっては本部に資金的なリスクも発生しますので、リスク想定もしっかりしたうえで検討してみてください。