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マニュアル作成のマニュアル(4)
前回まではオペレーションマニュアル作成に着手する前に知っておきたいことでした。
大まかな構成イメージがついたところで、まず着手することは「目次」作りです。
マニュアル作成がうまくいくかどうかは、この目次作りで決まると言っても良いかもしれません。
なぜなら、目次を決めることはマニュアル作成のゴールを明確にすることだからです。
ではどこをゴールにしたら良いのでしょうか?
目次
研修テキストとしての役割
前回までのブログでも書いていますが、「マニュアルは研修テキスト」ですから、研修のプログラムともリンクしなくてはなりません。
ただ、マニュアルがない段階ですと、研修プログラムが決まっていないことかもしれません。
そうした場合は、まずマニュアルを先にします。
チェーンの品質基準、標準的な手順を決めなければ、当然ですが、いくら研修を行っても無駄になってしまうからです。
すべての項目を洗い出す
そうした前提に立って、まず初めに行うことは、新入社員(加盟店の店長候補)に覚えてもらいたいことをすべて書き出すことです。
「業務を洗い出す」とも云いますが、その際のポイントは、必須業務、重要業務、一日の流れ、業務分担です。
店などの現場で新人トレーニングで使っているもの、教えていることをすべて書き出してください。
資料や写真などがあれば、保管しておきます。
ただし、あまり中身には踏み込まないでおきます。
マニュアル作成を担当する方は、多くの場合、現場の作業内容を理解し、実行できる人ですので、資料の中身はあとで確認すれば良いからです。
いよいよ目次作り
洗いだした項目を一定のルールでグループ分けします。
筆者の場合、例えば以下のような大項目(下記の「1.オリエンテーション」に該当)を決めておいて、中項目には洗いだした業務(見出し)を当てはめるていきます。
研修プログラムがない場合でも、店長やマニュアル担当者の経験値から教える順番をイメージできると良いでしょう。
◯マニュアルの大項目・中項目(例)
1.オリエンテーション
- 経営理念
- 行動規範
- 会社概要
2.ハウスルール
- 身だしなみ
- 言葉遣い、お辞儀、あいさつ
- 朝礼の実施
- 接客サービスの基礎知識
3.店舗オペレーション
一日の流れ
- 開店業務
- 閉店業務
- 週次業務
- 月次業務
4.担当別業務
- 主要メニューの調理手順
- 機器の操作方法
- 清掃手順
5.店長業務マニュアル
- 店長の心得、業務範囲
- フランチャイズの仕組みと加盟店の役割
- 求人・面接・採用
- スケジュール管理(シフト管理)
- 人材育成(トレーニング評価)
- 在庫管理:棚卸し(日次、週次、月次)
- 発注業務
- 現金管理(日次)
- 売上利益管理(月次)
- マーケティング
- 防火・防災管理
- 防犯管理(窃盗、強盗、無銭飲食、営業妨害など)
- マスコミ対応
- 緊急連絡体制
- 労務管理の基礎知識
- 情報セキュリティポリシー
- SNS運用基準
- 個人情報保護法
- その他事業に関連する法令
抜け漏れがないこと
初めてマニュアルを作成するときには、本文に入れる文章などが用意できていないものもあるかもしれません。
一般に、事業に関連する法律など、一般知識の資料が足りないことが多いようですが、資料がなくても必要と思われる項目は残しておきます。
特にフランチャイズ加盟店に対しては、教えるべきこととその内容を示すことが本部の大事な役割です。
日常業務に支障がないからと言って安易に外して、いざという時に加盟店が知らない、教わっていないではすまされないこともあります。
目次の大項目・中項目は崩さない
本文を作成する段階では、大項目、中項目を出来るだけ修正しなくて済むようにすることが、マニュアル作成のポイントです。
目次を作成する段階では「研修」も想定してくださいと書きましたが、マニュアル作成作業を始めると、研修ツールを作成している意識が薄くなるなど、段々と研修ツールから離れてしまったり、抜け漏れが発生してしまう場合があります。
目次の見直しが必要な時は、研修ツールという前提を忘れず、項目の抜け漏れがないように行うことがコツです。
目次が出来上がったら、次に各見出しに該当する原稿(文章、写真、イラストなど)を揃える作業に進みます。