スーパーバイザーが言ってはいけない一言
フランチャイズ本部と加盟店の関係を末永く継続させるために最も重要なのが、スーパーバイザーと呼ばれる定期的に店舗を訪問して加盟店の運営をサポートする役割を担っている本部スタッフです。
フランチャイズチェーンの場合、加盟店オーナーはフランチャイズ本部に雇用されているわけではなく、あくまでもフランチャイズ契約のもと本部ノウハウに基づいて同一ブランドで事業を運営しているという立場であるため、本部スタッフであるスーパーバイザーは、直営店の店長や従業員に対する場合と違って、直接命令するというわけにはいきません。
あくまでも、ビジネスパートナーとして、依頼、指導を行うという形が求められます。
そして、加盟店オーナーは独立した経営者です。従業員はそのオーナーに雇用されています。
したがって、スーパーバイザーは、そういったそれぞれの立場を踏まえて接することが求められます。
そこで、スーパーバイザーが加盟店オーナーやその従業員に対して発してはならない一言を理解したうえで、業務を進める必要があります。
以下その一言をいくつか挙げてみましょう。
1.加盟店従業員の前で、「オーナー、どうして我々の指示通り営業できないんですか?本当にダメなんだから…」
加盟店オーナーは、経営者です。そんな立場のオーナーを先方の従業員の前で叱ったり、プライドを傷つけるような言動は、オーナーの反発を買うばかりです。オーナーに対して改善指示を行う場合などは、TPOと言葉の使い方をよく考えてから行いましょう。
2.加盟店から新商品や本部の販促策などに対しての不満が出た際に、「そうですよね。私も今度の新商品は、売れないと思っていたんですよ。無理して取り扱わなくてもいいですよ」
本部施策に対して加盟店から不満が出ることは、よくあります。新商品や販促などの本部施策に対して全ての加盟店が満足するということは、ほとんどありません。
多くの加盟店オーナーは、自分たちの意見が本部施策にあまり反映されていないという思いを持っていて、本部施策に対して不満を漏らすことはそんなに珍しくありません。
そんな意見に対して、本部の窓口であるスーパーバイザーが、加盟店の意見に同意してしまうと、本部施策に対する信頼感がどんどん薄れてしまいます。くれぐれも気を付けてください。
3.「本部指示に従わないと契約を解除しますよ」
加盟店が本部指示に従わない場合、先方の意見を聞かずにすぐ契約解除するような言葉は、加盟店オーナーの反発を買うばかりです。フランチャイズチェーンにおいて、契約解除は最終手段です。
スーパーバイザーが加盟店と日常的なやり取りの中で、すぐに契約違反や契約解除という言葉を使うことは避けたほうがいいでしょう。契約でお互いの基本的な権利、義務が規定されてはいますが、本部と加盟店はお互いの信頼関係に基づいて長い付き合いをしていくというのが、フランチャイズチェーンにおけるあるべき姿です。
以上、代表的な言ってはいけない一言です。スーパーバイザーとして成功するためには加盟店との関係構築が最も大切です。そして、常に相手の立場に立って対応しながら、本部ノウハウとブランドイメージを損ねないよう行動してください。