「我々の業界は特殊」だからフランチャイズ化は難しい?
私は、これまで数百社に及ぶフランチャイズ本部の皆様とお話しさせていただきましたが、多くの方がおっしゃるのが「我々の業界は特殊だから、コンビニのようには、簡単にフランチャイズチェーンとしては成功できないんですよ」という言葉です。
「我々の業界は特殊」という言葉の裏には、我々の事業は誰でもが成功できるほど簡単ではないけれど、そんな中でも我々は成功しているんだという、自信というかプライドのようなものが感じられます。
自身の事業展開にプライドを持つということは大切なことですが、どんな業種であっても簡単に成功できるものなどある訳もなく、自分たちにしかできないのでフランチャイズ展開は難しいという思考は、正しいとは言えません。
コンビニでもハンバーガーショップでも、今でこそ数千、数万店舗を擁するビッグチェーンとなっていますが、ここまでの道のりは平坦ではなかったはずです。長年の試行錯誤と環境変化への適応を図りながら、業態とフランチャイズシステムの進化を遂げ、現在の形が作られているのです。
目に見えるオリジナル商品や、メニューを持っている業態は、フランチャイズ展開が容易に見えますが、それだけでは、フラチャイズチェーンとして成功することは困難です。
単に商品やサービスだけではなく、店舗を運営する、人材を育成するためなどの目に見えないノウハウがあって初めて成功できるのです。
どんな業界のどんな業態であっても、簡単にはフランチャイズ展開は成功しません。
しかしフランチャイズシステムにおいては、業態が異なっても成功するための共通要件が存在します。
いたずらに自分たちの業態の特殊性にばかり目を向けて、フランチャイズ化は難しいと言っていても前進はありません。
直営で複数展開が可能な業態は、基本的にはフランチャイズシステムを活用しての多店舗化が可能です。
まずは、どんな事業にも共通するフランチャイズシステムにおける成功要因を獲得するためには何が必要か?
次に、自分たちの事業特性にふさわしいフランチャイズシステムとはどういうものかを考えてみましょう。
「我々の業界は特殊だから」というのは、皆様の事業拡大においては何の意味も持たない言葉だと思って、フランチャイズ化を検討してみてください。