先日、悪天候で飛行機の中に約4時間閉じ込められたあげく欠航となるという貴重な体験をしました。
4時間の間に、何度か離陸にトライしては断念するということを繰り返しました。
回を重ねる度に機内の雰囲気が悪くなっていきます。
アナウンスがあまりなく状況がわからない中、客室乗務員に強い口調で文句や要望を伝える人が増えていきました。
そして、夜中の零時近くになって正式に欠航の知らせが。
残念でしたが、少しほっとした気持ちもある不思議な瞬間でした。
その後、ターミナルに戻り、航空券の振り替えやホテルの手配などを行うことになるのですが、ここがもう大混乱。
一例ですがこんな感じです。
チケットの振り替えを行っているカウンターに長蛇の列ができている。
みんな早く済ませたいと思っているのに、なかなか進まない。
何故だろうとカウンターの様子を見てみるとすぐに問題発見。
カウンターで対応しているほとんどのスタッフは振り替え作業を行っていない。
で、何をしているかというと、一人ひとりの質問に回答したり、かわらない内容ならどこかに調べに(聞きに)行っている。
質問は、ホテルはどうなるの?ホテルに空きはあるの?費用は持ってくれるの?ホテルまでのタクシーは自分で呼ぶの?等々。ほとんどの人が同じことを質問している。
何が問題なのか?
それは、分業できていないので全体の効率が悪いということです。
フランチャイズ本部で業務の標準化を行いマニュアルを作成するなどの際に使われる考え方に3Sというものがあります。
単純化(Simplification)
標準化(Standardization)
専門化(Specialization)
3つの英単語の頭文字をとったネーミングです。
どのような考え方か簡単に説明すると、以下のような手順で業務を改善し効率化しようというものです。
・まずは、業務を簡単にできる単位に分ける(単純化)
・そして、それぞれの標準の業務手順をつくる(標準化)
・最後に、それぞれの業務を専門に行う人を配置する(専門化)
今回の件で考えると、
- カウンターのスタッフは振り替え業務に専念し出来るだけ早く処理を終えることに注力する
- ホテルやタクシーの件は、別の担当者が並んでいる全員に説明をする、もしくは書類を配布する
- カウンターでイレギュラーな質問があった場合は、振り替えの列から一旦外れてもらい、別の担当者に引き継ぎして対応する
などが考えられるでしょう。
普通に考えたら当然な内容です。
しかし、危機が発生した異常事態では出来なくなるのです。
今回は雪国の空港だったので、雪などの悪天候で欠航(しかも夜間に)するというケースは十分に想定されていたでしょう。
それでも不手際が目立ちました。
そこで今回の教訓です。
- 危機が発生したときにどう対処するかという手順を決めておく(マニュアル化や指揮命令系統の明確化 など)
- そして、これを教育・訓練で身につけさせる(発生時に慌てないように)
今回は空港の例ですが、フランチャイズ本部においても危機発生時に大混乱にならないように普段から取り組むべき課題です。