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大企業が新たなフランチャイズ展開を成功できない訳
日本では、過去多くの大企業がフランチャイズチェーン展開による新規事業進出を計画しながらも、成功と言える事例はそれほど多くありません。いったいなぜ大企業の新たなフランチャイズ展開は成功できないのかを考えてみましょう。
フランチャイズ本部の成功要件
フランチャイズ本部としての成功要件は、4つあります。
一つ目は、魅力的なビジネスパッケージ(業態)を作ること、
二つ目は、多くの経営者に共鳴してもらえる強烈な理念を発信できること、
三つ目は、フランチャイズ加盟店を増やし、その運営をサポートし続ける仕組みと体制を整備することです。
最後に、最も大切なことは、意思決定のスピードです。
一つ目は、自社で開発する場合もありますが、他社や海外から権利を購入する方法もあります。したがって、大企業だからうまくいかないというものではありません。ただ、成功業態を作るためには、その業態への強い思い入れと現場に根差した改良を積み重ねる努力が求められます。
二つ目は、フランチャイズチェーンは理念共同体と言われるほど、経営に対する考え方や社会への貢献性がその成否を分けます。したがって、大企業の場合、フランチャイズ事業の責任者にその思いがどれほどあるかと言われるとかなり疑問符が付く場合が多く見受けられます。
三つ目は、資金も人材も豊富で仕組みづくりや組織運営のノウハウを持った大企業にとっては、得意分野であり、フランチャイズ展開にふさわしい存在であると言えます。
そして、意思決定のスピードですが、これが最もネックになっている場合が多いと言えます。フランチャイズ展開を行うということは、スピーディに事業拡大を行うということです。加盟店開発においても、出店に関してもスピードが遅いと他社に後れを取ります。しかし、大企業の場合は、ランチャイズ事業責任者の判断ですべて決定できるという環境を作りにくいのが一般的です。本社の意向を確認してからなどという場合がほとんどです。そのため、中小企業や創業オーナーのいる企業などに比べると意思決定のスピードかなり遅いという結果になります。
大手企業に欠けているもの
つまり、フランチャイズ本部として成功するために大企業に決定的に欠けているものは、事業に対する思い入れや強烈な理念、そして意思決定のスピードだということです。言い換えれば、そういったものを持っている強烈なリーダーのもとで大企業がフランチャイズ字本部構築に取り組めば、成功確率はかなり高まるということです。
セブン-イレブンの鈴木会長、ケンタッキー・フライド・チキンの大河原氏などは、そのカリスマ性で大企業資本にもかかわらずフランチャイズ展開を成功させた典型例です。
大手企業でもこうしたリーダーに任せることで、フランチャイズ本部構築は必ず成功します。社内でそんな人材を発掘してぜひ成功を収めてください。