フランチャイズ加盟オーナーが「話が違う」って何故?
フランチャイズチェーンにおける本部と加盟店間のトラブルには様々なものがあります。代表的なものは、「加盟前に聞いたのと話が違う」というものです。つまり、加盟前に本部が提示した売り上げや利益とは程遠い実績しか上げられない。簡単に運営できるといわれたけれど、そんなに簡単じゃなかったというようなことです。
しかし、全てのフランチャイズ本部がこういった問題を数多く抱えているというわけではありません。最近では、こうしたトラブルを回避するために、事前にきちんとした説明が書面で行われている場合が多く、以前ほど「聞いてないよ。話が違う」といったトラブルは減少しています。ただ、一部ではいまだにいい加減な情報開示しかせずに、加盟オーナーから多くの不満が寄せられるフランチャイズ本部が存在していることも事実です。
目次
本部サイドの原因
では、トラブルとなる原因としてどういったことが考えられるかというと、フランチャイズ本部サイドから見ると、三つの大きな原因があります。
一つ目は、「ビジネスパッケージの収益性や競争力に問題があり、フランチャイズ展開できるレベルに達していない」という場合です。
二つ目は、「店舗数の拡大に応じたフランチャイズ本部として必要な機能整備ができていない」という場合。
三つ目は、「自チェーンを取り巻く環境変化への適応が支援できていない」という場合です。これらは、フランチャイズ本部として、フランチャイズパッケージの魅力度が不足している、本部体制が不十分ということを指します。
加盟オーナーサイドの原因
一方、フランチャイズ加盟店側から見ると、以下の四つが主な原因です。
①加盟しさえすれば、大した努力をしなくても成功で知るという思い込み。
② 経営者としての自覚と責任が不足している。
③ 自分流のやり方に固執する。
④他事業に資金を流用する
言い換えると、フランチャイズ本部任せで自律的に経営する意識が低いということです。
トラブル防止に向けて
フランチャイズチェーンにおける、本部と加盟店間のトラブルを防ぐ方法としては、フランチャイズ本部として必ず実践しなければいけないこと、それは、加盟希望者に対する加盟前の情報開示です。特に収益面に関しては、できるだけ実際の数値に基づいた情報を開示して、加盟希望者が正しい判断ができるようにすることが大切です。また、加盟後は加盟店の経営が軌道に乗るようにきめ細かなフォローを継続するということと将来を見据えた先行的なフランチャイズ本部体制の整備が欠かせません。
一方、加盟オーナーは、加盟を決定する前にできるだけ多くの情報を収集し、自分自身が完全に納得したうえで加盟を決定することが重要です。そして、加盟した後は、経営者としての自覚とフランチャイ契約やマニュアルの内容を順守して経営するという真摯な姿勢がトラブル回避へとつながります。