フランチャイズパッケージの強みを見える化する

フランチャイズチェーンが成功するためには、フランチャイズパッケージの強みが明確であるということが不可欠です。フランチャイズパッケージの強みには二つの側面があります

 一つ目は、お客様から支持される強みは何かということです。

言い換えると、なぜそのビジネスが繁盛しているかという理由を明確にするということです。たとえば、牛丼の吉野家が、「うまい、早い、安い」というキャッチフレーズで表されているように、お客さまにおいしい牛丼を待たせずにそして安く提供することでお客様の支持を得ているというようなビジネスの強みを明確にするということが求められます。

 二つ目は、フランチャイズ加盟者にとって、加盟することで得られるメリット、また加盟して成功できるだけのノウハウがあるのかどうかなどが明確に見える化されているかどうかということです。

既存の実績から勘案しても一定の売り上げ、利益が見込めるということは当然ですが、たとえば、マニュアル、研修制度が整備されている、オリジナルの機器が導入されているので職人不要で、素人でも簡単に作業ができるなどといったノウハウが明確になっているかどうかということです。

そして、フランチャイズ本部構築に際しては、この二つのポイントをきちんと見える化して、加盟希望者にアピールできるかどうかが大切です。見える化のポイントは、それぞれの強みに名前を付けるということがその第一歩となります。

どんなチェーンも名物商品には、名前や分かりやすいキャッチフレーズがついています。テリヤキバーガーを食べたいからモスバーガーに行こう、つまり、我々の名物商品はこれだ!というものを意識して表現することが必要なのです。他社にあるものは何でもありますというのでは、強みにはなりません。

また、加盟者向けの強みに関しては、目に見えにくいノウハウを見える化するわけですから、社内で当たり前になっているようなノウハウにも注目して、意識してノウハウの見える化が必要です。まだノウハウとしては不十分だけれど今後ブラッシュアップしていけば素晴らしいノウハウになるというものもたくさんあるはずです。そして、ここでもノウハウに名前を付けることで、社内で認知されブラッシュアップしていこうという流れを作れます。そして、加盟希望者に向けて明確に他社にはないノウハウが存在しているということをアピールできるのです。

社内の埋もれたノウハウを掘り起こすこともフランチャイズ本部構築を成功させるには、大切なことです。

 

民谷昌弘

投稿者プロフィール

株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所 代表取締役社長
(一社)日本フランチャイズコンサルタント協会 会長
フランチャイズビジネス全般のコンサルタントとして、百社を超える新規本部の立ち上げを支援し、これまで数百社に及ぶフランチャイズチェーンの運営改善や教育研修、加盟店開発支援などの実績を持つ。
(一社)日本フランチャイズチェーン協会
 SV学校、経営士講座、FC本部構築講座 講師
独立行政法人中小企業基盤整備機構  経営支援アドバイザー

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