フランチャイズ本部が本を出版する意味って?

世の中には、「一度は自分の本を出版してみたい!」とお考えの方が、多いのではないでしょうか。
書籍を出版すると印税生活でどんどんお金が入って来るというイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、それは大きな間違いです。

一般的には、印税は書籍価格の約1割が相場です。
定価1000円の本が1万冊売れても、印税は100万円。
そして、ビジネス関連の書籍で一万冊売れるのは、数えるほどです。
せいぜい数千冊がいいところです。そうすると印税も数十万円。
本を出版して大儲けという構図は、企業本の世界ではあまり期待できません。

しかし、活字離れと言われる昨今でも、書籍を出版するということは、かなり注目されます。
そして、書籍には自分の言いたいことをきちんと伝えるだけのボリュームもあります。
ツイッターやブログも続けることでそれなりの量の情報を発信できますが、本を出版するほうが体系的にきちんと伝わる可能性が高くなります。

そして、フランチャイズ業界に目を向けると、フランチャイズチェーンは、「理念共同体」と呼ばれるほど、企業の社会貢献性や企業理念、行動規範などフランチャイズ本部としての基本的な考え方や経営者自らの想いや生き様を発信し、加盟者をはじめ多くの方に共感してもらうことが大切です。

これから加盟しようとお考えの方々に、「理念に共鳴したから是非加盟したい」という思いを抱いてもらえれば、加盟した後も、ともにいい関係を続けていくことができます。

そこで、力を発揮するのが、フランチャイズ本部の経営トップが自らの想いをきちんと洩れなく伝えられる書籍というツールです。

加盟希望者一人ひとりに直接経営者自らが想いを伝える機会を作るのは簡単ではありません。
ネット社会ですから、ブログやフェイスブックなどで情報発信することも有効な手段ですが、やはりまだ書籍を出版することのほうが、大きなインパクトがあります。

しかし、自分の想いを本にして出版しようとお考えの経営者の皆様が、自分自身で原稿を書く、そして、出版してくれる出版社を探すという作業は簡単ではありません。
さらに、出版社に原稿を持ち込んだとしても出版してもらえる確率は限りなくゼロに近いと言わざるを得ません(チェーンが有名になれば出版社から依頼が来ることもありますが…)。

そこで、多くの場合、ある程度の費用を負担して出版してもらう企画出版という方法がとられています。
原稿はプロのライターが経営者の方からの聞き取りに基づいて書いてくれます。
出版社は、一定の部数を書店やネットに配本してくれます。
通常は、3~6カ月くらいで完成します。負担する費用も出版する冊数も様々です。皆様それぞれのご要望に合った出版社も選べます。

自分たちの想いを伝え、より多くの加盟者に共鳴してもらうマーケティング手段として書籍を出版するということを検討してみてはいかがですか?
「わが社を成功に導いたフランチャイズ戦略とは」なんて題名はいかがですか?

 

 

 

民谷昌弘

投稿者プロフィール

株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所 代表取締役社長
(一社)日本フランチャイズコンサルタント協会 会長
フランチャイズビジネス全般のコンサルタントとして、百社を超える新規本部の立ち上げを支援し、これまで数百社に及ぶフランチャイズチェーンの運営改善や教育研修、加盟店開発支援などの実績を持つ。
(一社)日本フランチャイズチェーン協会
 SV学校、経営士講座、FC本部構築講座 講師
独立行政法人中小企業基盤整備機構  経営支援アドバイザー

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