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「法定開示書面」は、フランチャイズ本部のリスク回避のために!
フランチャイズ本部が加盟希望者に対して、契約前に情報開示するために作成と説明が法律で義務付けられている書面を「法定開示書面」と呼びます。
現在の日本では、フランチャイズ法というようなフランチャイズビジネスを直接規制する法律は存在していません。
そこで、加盟者保護とフランチャイズチェーンにおけるトラブル防止の観点から、中小小売商業振興法の施行規則と公正取引委員会から出された「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」という文書によって、加盟希望者への契約前の情報開示事項が規定されています。
一般的には、「フランチャイズ契約締結の要点と概説」「フランチャイズ契約のしおり」などというタイトルの書面となっています。
通常は、フランチャイズ契約書の内容を説明する前段階で、事前に加盟希望者に説明したうえで、加盟希望者から説明を聞いて内容を確認したという印鑑をもらう様式になっています。
「法定開示書面」に記載する事項
「法定開示書面」に記載する事項は、以下のような内容となっています。
・フランチャイズ本部の概要
(会社概要、役員構成、沿革、会社組織図、直近3事業年度のP/L、BS、売上・出店状況、加盟者の店舗に関する事項、訴訟の件数など)
・フランチャイズ契約の概要
(契約の名称、売り上げ、収益予測についての説明、加盟時の金銭、商品の販売条件等、経営の指導に関する事項、商標関連、契約期間、更新解除等、定期的に支払う金銭、店舗の営業時間等、テリトリー権、競業避止義務、守秘義務、契約違反の場合の違約金等、事業活動における損失の有無など)
フランチャイズ本部は、加盟を希望した人には、「法定開示書面」を必ず説明する義務があります。
しかし、中小小売商業振興法の対象業種が中小の小売業ということもあって、サービス業や建設業などは作成義務がないと主張しているフランチャイズ本部もあります。
ただ、公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」という文書もあり、ほとんどの大手フランチャイズ本部で作成されている現状を鑑みても、作成しないということは、あまり信用できないいい加減なフランチャイズ本部だと自ら公言しているようなものです。
フランチャイズチェーンにおけるトラブルの多くが、本部の説明を加盟者がきちんと理解していない、確認していないということに起因しています。
したがって、フランチャイズ本部としてのリスク回避のためにも、「法定開示書面」を作成して、必ず説明したうえで、加盟者から確認印を貰うということを、社内ルールと徹底してください。
そうすれば、加盟店から「そんな話、聞いてないよ」というクレームは出てこないはずです。