社員独立(のれん分け)の制度は作ったが誰も手を挙げません

フランチャイズシステムを活用して社員独立(のれん分け)制度を導入したいというご相談が増えています。
このようなご相談の場合、既存社員の中に候補者がいることがほとんどです。

つまり、「Aさん、Bさんをオーナーとして独立させるために制度を考えよう」という感じです。
そして、制度設計を行い、いよいよ社内告知が始まります。

「社員独立(のれん分け)の制度を作ったので希望者は手を挙げてください」と呼びかけるのです。
しかし、誰も手を挙げないということは、しばしばあります。
想定していた、Aさん、Bさんですら手を挙げません。

そこで、制度導入を推進してきた経営者や担当者は「何でなんだ」と頭を悩ませます。
なぜこのようなことになるのでしょうか?

社内告知を聞いた社員にインタビューしてみると、以下のような感想が目立ちます。
「経営者になるのが恐い」
「ピンとこない」
ここに原因がありそうです。

それぞれ解決の方向性を考えてみましょう。

まず一つ目の「経営者になるのが恐い」は、独立して経営者になると収入は増えるかもしれないが、リスクも大きくなるので恐いと感じている状況です。

ここを乗り越えて、社員独立(のれん分け)に進んでもらうためには、なんらかの救済措置を設けるとよいでしょう。
例えば、
・独立して上手く行かなかった場合でも社員に戻る道を用意する
・まずは社員の立場で独立後のシミュレーションができるテスト期間を設ける
などが考えられます。

二つ目の、「ピントこない」というのは、自分事として制度を認識できない状況です。
この場合は、根気強く説明することも大切ですが、実際に独立して成功した先輩の姿を見せることが有効です。

成功事例が増えれば、それに続こうという人は必ず現れます。
以上、社員独立(のれん分け)制度をつくっても、誰も手を挙げずに制度が機能しない場合の典型的な原因と解決策の考え方を紹介しました。

細かな制度設計は、是非専門コンサルタントにご相談ください。
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松久 憲二

投稿者プロフィール

株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所 副社長COO シニアコンサルタント
一般社団法人日本フランチャイズコンサルタント協会 代表理事
特定非営利活動法人 起業応援倶楽部 理事長
昭和43年生まれ。大分県出身。
宮崎大学工学部電子工学科卒業後、大手コンサルタント会社、大手生命保険会社を経て現職。
フランチャイズ本部の立ち上げから加盟店開発などを中心とした経営コンサルティング、執筆および講演等の活動を行っている。

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