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マニュアル作成のマニュアル(2)
マニュアル作成は誰に任せたら良いか?
マニュアル作成の手順とポイントについては前回述べましたので、今回から「マニュアル作成の実際」というテーマに移りたいと思います。
話をより具体的にするために、例として、5店舗の飲食店を運営する会社で、フランチャイズチェーンにすることとなり、初めてマニュアルを作成するというシーンを想像してみたいと思います。
前回までと同様に、このブログで言う「マニュアル」は、フランチャイズチェーン(直営チェーンでも良いですが)の「オペレーションマニュアル」(店舗運営マニュアルや業務マニュアル)を念頭にしています。
担当者の人選
5つの店舗は、社長のもとで店舗運営のスキルを身につけた店長がいます。
会社としての経営理念、基本的なルール、ユニフォームなどが決まっていますが、まとまったデータはなく、店長会議などでの指示、店舗への通達、それぞれの店長が店舗スタッフに仕事を教えるために使ったルールブックが散在しています。
社長が現場から離れて3年ほどになり、社長は主に新メニューの開発や店舗開発、計数管理などに費やす時間が増えて、現場のことは店長たちに任せています。
社長がマニュアル作成を誰に任せるかを考えるために、改ためて店の様子を見ると、ルールや作業手順が異なることが多いことに気づきました。
各店舗とも間違った商品を出しているわけでもなく、接客応対もそれなりにできています。
ただ店長によって、違い、レベルの差があることも否めません。
また、店長は日常業務が忙しく、マニュアル作成に時間を割くことが難しい状況です。
マニュアルは完成できるのでしょうか?
マニュアル作成チームを編成
そこで、社長はマニュアル作成チームを編成することにしました。
作成責任者は、店舗運営を一番熟知していると思う店長に任せることにして、各店舗でも店舗運営を熟知したメンバーを選んでもらいました。
ただ、そこで問題がありました。
「実際に原稿は誰が書くのか?」です。
ここで、前回までに述べた、マニュアル作成の手順を振り返ってみます。
- 編集企画:構成・目次案の作成
- 資料収集:データ、紙の資料、写真、動画など
- ヒアリング
- 執筆
- 校正作業
- データ修正作業 ※5,6を2〜3度行なう。
- データ完成
- 配布
この流れをイメージしてみてください。
マニュアルを作成するためには、目次を考える、情報を集める、写真を撮る、文章にするなど、店長の日常的な仕事と全く異なることが多いのではないでしょうか?
マニュアル作成の最初のゴールは、「とりあえず、文字や写真にしてまとめることに集中する」ことです。
店長のように店舗運営との兼務では、マニュアル作成の作業時間が取れない、原稿を書きながら作業手順の改善案を考えてしまうなど、作業自体を中断させることがしばしば起こります。
そこで、マニュアル作成作業は、店舗運営をほどんど知らない人に任せた方が良い場合が多いのです。
そこで、社長は本社の事務スタッフを編集・作成担当者にしました。
店舗運営に携わったことはほとんどないですが、書類をまとめたり、パソコンのスキルがあるからです。
これでマニュアル作成チームの体制ができました。
次回は、マニュアル作成で鍵となるのは「目次」についてです。