フランチャイズ関連のセミナーなどでよく質問されるのが、
「フランチャイズでは、どんなビジネスがこれから流行るのですか?」というものです。

フランチャイズ業界は、常に時代を先取りするような新しい業態を、フランチャイズシステムという多店舗化のための経営システムを活用して事業拡大してきました。

日本では、コンビニが小売業界を大きく変えました。
ハンバーガーなどのファストフードがフードサービス業の近代化に貢献しました。
そして、日本に海外の食文化を定着させました。
近年は、リサイクルショップやリペアなどの業態がフランチャイズ化によって産業として確立されました。
さらに介護サービスや福祉、保育サービスなども、ボランティアとしてではなく、フランチャイズ展開で業態の標準化やビジネスとしての形が作られることによって、業界が形成され我々の生活になくてはならない存在になりました。

こうした経緯を見るまでもなく、フランチャイズ業界は常に時代のニーズを先取りして、業界規模を拡大してきました。
したがって、フランチャイズ本部を目指す企業経営者もフランチャイズチェーンへの加盟を検討している起業家や脱サラ組の皆様も最も興味があるのが、今後伸びそうな事業分野についてです。

そこで、最近伸びている分野と今後伸びそうな分野について少しだけ考察します。
まず、現在すでにかなりの勢いで伸びているがまだまだ新しい業態やフランチャイズ本部が出現しそうな分野です。

ライフサポート分野:生活全般をサポートする事業です。
例えば、お手伝いさんや、お掃除屋さん、便利屋さんのような業態です。
高齢化社会がますます進む中、生活周りのサポートニーズはますます高まります。

宅配分野:高齢者向けの配食に始まり、最近ではレストランやコンビニなどあらゆる分野での宅配ニーズが高まっています。
ネットとリアル(店舗)の融合など、まだまだその拡大余地は大きいと言えます。

訪問サービス分野:宅配同様サービス分野でも訪問型が増加しています。
マッサージ、歯科、医療、リハビリや理美容分野にも拡大しています。

フランチャイズ業界では、まだ具体的な動きは見られませんが今後増えそうな分野は以下です。

農業分野:規制緩和に伴って、多くの企業が農業分野に進出しています。
そして、農業のファクトリー化も進んでいます。ファクトリー化が進むとフランチャイズ展開も可能となります。
地産地消が進むことで小売り、外食分野でもフランチャイズにかかわる業態が生まれる可能性があります。

医療分野:訪問サービスでも触れましたが、かかりつけ医を政府が推進しようとしているように、もともと医療分野は地域密着型のビジネスです。
しかし、個人医院は、経営面で旧態依然としており、増患対策やサービス向上などにおいては、経営の近代化が必要です。
そのためにも、フランチャイズ化が向いている分野であると言えます。
一般の人はあまり対象にはなりませんが、今後フランチャイズ化の進展がみられる分野となるでしょう。

セキュリティ分野:安全・安心に対する関心は、どんどん高まっています。
そんな中、セキュリティ関連の分野は、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が高いと言えます。
技術の進歩に伴って様々なサービスが生まれています。
企業向けにとどまらず個人向けニーズの高まりとともに地域密着型サービスに力を発揮するフランチャイズ化の可能性も見えてくると推察できます。

以上、簡単にこれからフランチャイズ化が進みそうな分野に関して考察しましたが、これ以外でも、健康分野や海外ブランドの移入など注目したい分野は色々とあります。

民谷昌弘

投稿者プロフィール

株式会社アクアネット フランチャイズ経営研究所 代表取締役社長
(一社)日本フランチャイズコンサルタント協会 会長
フランチャイズビジネス全般のコンサルタントとして、百社を超える新規本部の立ち上げを支援し、これまで数百社に及ぶフランチャイズチェーンの運営改善や教育研修、加盟店開発支援などの実績を持つ。
(一社)日本フランチャイズチェーン協会
 SV学校、経営士講座、FC本部構築講座 講師
独立行政法人中小企業基盤整備機構  経営支援アドバイザー

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